用途:専用住宅  規模:木造平屋  敷地面積:396.72㎡(120.01坪)  延床面積:108.83㎡(32.92坪)  所在地:埼玉県三郷市

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撮影:日暮雄一

 敷地は埼玉東部、江戸川近くの閑静な住宅街。ゆとりのある区画が並ぶ平坦な場所です。住み手は60代の女性。目と鼻の先に息子さんご家族が住んでいる理想の二世帯近居です。年齢や同居人数の変化に伴い、広い2階建ての家を平屋に建て替えました。バリアフリーなど高齢者向けの住宅にすること、温熱環境の良い家にすることを希望されました。
 ゆったりとした敷地に整形の建物を以前と同じ位置に配置しました。平面が整形であることで回遊性のある動線を作り、行き止まりなくグルっと回れ、各々の場が結びつき、暮らしやすさに繋がります。車椅子の生活になった際もとても有効です。温熱環境の点から見ても断熱や全館冷暖房に好都合です。また新しい暮らしへ緩やかに移行できるよう、配置やプランの主な骨格は以前と変わらないよう考慮しました。
 整形プランの中に外部空間を南側と北側にくい込ませ、そこにガラス屋根をかけました。南側はカバードデッキとしてLDKや和室と連続し、その先は中庭に繋がります。北側はキッチンと脱衣洗濯室の間にサービスデッキとして配置し、家事動線が通るようにしました。こちらも坪庭と繋がります。外部空間と内部空間の連続性がこの住宅の特長の一つとなっています。
 室内は、3つのゾーンで分かれています。1つ目はご家族みんなが集うための和室です。南側の木製建具をフルオープンにすると中庭につながる開放的な場になります。日常は堀座卓になっているのですが、お客さんが宿泊する際は座卓を床下に仕舞い、フラットな畳床にできるような工夫をしています。2つ目は、板張りの天井が特徴のダイニングキッチンです。勾配は北側のトップハイサイドライトに向かって登っています。その窓は明るい部屋にしたいというご要望と、風通し、特に夏場の熱気抜きに大きな役割を果たしています。3つ目は寝室水廻りなどのプライベートゾーンです。トイレは将来の介護を見据えて1坪の広さがあります。出入口は2ヶ所設け、廊下側(日常や客用)と寝室側(夜や介護時)からの動線を確保しています。
 中庭の主木に枝垂れ桜を植えました。春の心地よい季節、内と外がつながる和室にみんなで集まってワイワイとお花見を楽しんでくれるといいなと思っています。

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